船の手配は時間がかかるようで、黒崎に逗留することになった旅の御一行。船を待つ間、お寺や城跡など黒崎ゆかりの地を見物してまわったようです。日記にある「井上周防之房が城主を務めた黒崎城跡があるという山」は「城山(じょうやま)」のこと。標高は約70メートルとそれほど高くはありませんが、今でも洞海湾や黒崎の街並みを見渡せる展望スポットとしても知られています。
光圓寺(光円寺)
光圓寺は明応2年(1493年)、義勝上人によって花尾山麓に開創されたという由緒あるお寺。
正覚寺
江戸時代初期に創建され、黒崎宿の歴史とともに歩んできた由緒あるお寺。
黒崎城跡
今では石垣がわずかに残るのみとなった黒崎城。その歴史は短命なものでした。
城主は井上周防之房(いのうえすおうゆきふさ)。城下町として整備を進めていたものの、元和元年(1615年)幕府による一国一城令により、黒崎城はわずか十数年でその役目を終えることになってしまいました。