〈1日目〉 4月15日 旅のはじまり
記念すべき旅の一日目!
旅の御一行は山田村を出発して、青柳宿の「伊勢屋」という旅籠に宿泊することにしました。
移動は徒歩で、宿までは8キロほどの道のり。
九州からお伊勢さんへ向かう旅なので船や馬に乗ることもありますが、基本は歩きの旅。当時の人々は健脚だったといわれています。現代人よりも日常的に長距離を歩いていたため、体力も脚力も現代人とは比較にならないほど高かったのだとか。
青柳宿
福岡を本州と結ぶ道の一つ、唐津街道。
福岡藩や唐津藩の藩主も、参勤交代で江戸に向かう際にこの街道を利用していました。街道には、宿泊・休憩のための宿屋や、荷物運びのための人馬が用意されている「宿場」が整備されました。
青柳宿は、唐津街道の宿駅のひとつだったのです。
伊勢屋
文吉さんたちの地元である糟屋郡久山町には、九州の伊勢ともよばれた伊野天照皇大神宮があります。この皇大神宮に毎年伊勢からお札をもたらし、お伊勢参りに行く人々の世話をしたのが”御師(おんし)”でした。青柳宿の伊勢屋は、その御師が宿にしていたと伝えられています。
文吉さんたちにとって、伊勢屋はお伊勢参りのための情報を得られる重要な場所だったのかもしれません。